素朴でありながら高級感も抜群。無垢のフローリングは誰もが憧れる空間です。ただ自然素材であることがゆえに、人工物のようにいつも一定のコンディションを保っているわけではなく、それなりのメンテナンスを要します。とはいえコツさえ掴めばそれほど難しいことではありません。そのちょっとしたヒントと豆知識をお伝えします。



無垢フローリングのデメリット


1.曲がり、割れ

木材に「曲がり」や「割れ」が生ずる原因は、木材に含まれる水分の揮発によるものです。そのためフローリングをはじめとするに木材は、伐採後に乾燥作業を施し、水分の含有率を12〜15%まで落としており、変形を防ぐよう加工されています。とはいえ人工物のように組織を均一にすることは不可能で、経年による若干の変形は免れません。このため無垢のフローリングを選ぶ際は、木の性質を熟知した信頼のおける業者を選ぶことがたいせつです。

2.隙き間

フローリングに使用している無垢材は、先述のとおり乾燥させているため、まわりの水分を吸収してわずかですが膨張します。そのため施工の際にはそのぶんの隙き間を開けておかないと、「突き上げ」と呼ばれる現象により歪んでしまうのです。とはいえその幅は0.3〜0.5mmと、不具合を感じるものではありません。そのほかに隙き間の要因となるのは「組織の収縮」です。これは無垢材が経年によりさらに乾燥し、同時に組織として安定する際に起こる自然の現象です。

3.傷、汚れ

無垢に限らず、木材は石や鉄のような硬さを持っていないため、それらに比べて傷付きやすいのは否めません。しかし独特のやわらかな質感、まわりの温度に影響されない温かな肌ざわりは、他の素材では得られない魅力です。また吸湿性があるため、汚れが落ちにくいというデメリットもあります。ただそんな傷や汚れも、味わいとなって風格が増すのも「木」ならでは。無垢はそれらが目立ちやすいので、気になる場合は、コーティングが施された素材をおすすめします。br>

4.軋み音

歩くとギシギシと軋む「音」が発生する無垢のフローリング。これは下地の合板との接着不良によって起こっていると考えられます。この「軋み音」を防ぐため、専用の釘を用いたうえで、弾性のあるウレタン系の接着剤で施工するのが必須です。またフローリング材の継ぎ目は凹凸になっており、お互いを組み合わせ繋いでいます。この部分は「サネ」と呼ばれ、軋み音が生ずる要因となっていることがありますが、木の収縮に伴いほぼ治まります。



無垢フローリングのメリット

メンテナンスを要する無垢材のフローリングはやっぱり面倒・・・そう思われるのも無理はありません。ただ、忙しない毎日の疲れを癒してくれるのは、紛れもなく「我が家のリビング」です。そこが広い自然素材の上にあると想像するだけで、心からリラックスできそう。木の特性を生かした湿度調整機能、天然の木の香り、そしてまわりの温度に影響されないやさしい肌ざわり・・・少しのお手入れで得られるラグジュアリー感は、何物にも代え難い贅沢と言えるでしょう。

1.さらりと心地よい肌ざわり

木は成長の過程で無数の小さな隙き間を作ります。これは鉄などの化合物にはない、自然素材ならではの特性です。四季がある日本は温度や湿度の調整が難しく、それが原因で体調を崩すことも。無垢材はその隙き間にある空気が、乾燥したときは潤いを放ち、湿度が高いときは水分を吸収するという、うれしい働きをしてくれます。またその層がクッションとなって程よい硬さを生み、一定の温度を保った快適な肌ざわりを実現しています。

2.美しさ

何と言っても美しさには、他の追随を許さない魅力があります。特に無垢材は自然の木目をそのまま生かしているため、ふたつとして同じ模様は存在しません。何年経っても飽きることはなく、むしろ愛着を増していく素材です。人間も元々は自然の生き物ですから、化合物より木に囲まれている方が、本能的に落ち着くのかもしれません。ブラウンを基調とした多彩な色合いは目にもやさしく、素朴でありながら高級感も抜群です。

3.香り

無垢材ならではの魅力、それは「香り」かもしれません。木の近くを歩くだけでその香りに癒されたり、アロマオイルのルームフレグランスやマッサージなどで「自然の香り」を楽しんだりしている方も多いと思います。ちなみに樹木から抽出した精油は、森林浴の香りとして親しまれている「フィトンチッド」です。嫌味のない爽やかな香りは心身ともにリフレッシュでき、また抗菌作用もあるため、悪臭を防ぐ効果もあります。

4.経年による風格

多くの素材は歳月を重ねるにつれ劣化し、その魅力は失われていきます。ただ無垢材にはそれが当てはまりません。たとえ傷や汚れが付いてしまってもそれは味わいとなり「風格」を装い始めるのです。そもそも途方もない年月をかけて育まれた素材ですから、新品であったとしてもすでに歴史があります。手入れを施すほどにツヤを増し、まろやかな色合いに変化していくさまに、愛着を憶えずにはいられません。

「無垢材」と聞くと手入れが大変な高級素材、と思いがちですが、昔の家屋はすべて無垢材でした。掃除機もワックスもない時代、水拭きだけで手入れしていたのにもかかわらず、その美しさは色褪せることがありません。少しの手間はいつしか楽しみに変わることと思います。無理なく気軽に付き合うことが、無垢を楽しめるコツかもしれません。